【フリーランス向け】契約条件を変更したいときの例文や注意点を解説

クラウドソーシング

フリーランスとして活動していると、クライアントから提示された契約条件を変更したくなることもあるでしょう。

しかし「こちらから要望を出しても良いのかな」「クライアントに嫌な思いをさせないように話を切り出すには、どうしたらいいんだろう」と悩んでいる方も多いはず。

そこで今回はクライアントから依頼された仕事の、契約条件を変更したいときに使える例文や注意点などを解説します。

契約条件の変更の提案ではどのようなことをするの?

クライアントから仕事を依頼されたとき、「納期にもう少し余裕があればいいのに」「報酬をあと少し上げてもらえないかな」と思うことがあります。

そんなときは、クライアントに契約条件を変更できないか相談するのも一つの手段です。

契約条件の変更を提案するときは、次のようなことを行います。

  • 契約条件を変更してほしい旨をクライアントに連絡する
  • 変更して欲しい項目を伝える
  • 自分が希望する変更後の納期・報酬・仕事内容を正直に伝える

自分自身が納得したうえで仕事を引き受けるため、必要に応じて契約条件の変更を提案することはとても大切です。

提案する際に大切なポイントを抑えて、自分とクライアントの双方が気持ちよく仕事を進められるようにしましょう。

フリーランスが契約条件の変更を提案するのはどんなとき?

仕事をしていると、契約条件を変えられないかクライアントに相談する機会があります。

とはいえ仕事の依頼があるたびに条件の変更をお願いしていると、クライアントからは少し面倒に思われてしまうかもしれません。

契約条件の変更の提案は、必要なときのみ行うことが大切です。

ここでは、フリーランスが契約条件の変更を提案するのはどんなときなのかを紹介します。

あと少し条件が整えば仕事を受注できる

仕事を依頼されたとき、あと少し条件が整えば仕事を受注できると感じた場合は、クライアントに契約条件の変更を提案してみると良いでしょう。

具体的には、次のような状況になったときです。

  • 納期を数日~1週間ほど延ばしてほしい
  • 報酬金額をあと1~2割増やしてしてほしい
  • 自分がいつも使っている○○というツールを使いたい
  • 追加のリソースが必要だと感じた
  • 自分が担当する作業工程を1~2つ減らしてほしい

契約内容の変更を提案する際は、変更を希望する理由や、変更することによりどのようなメリットがあるかを説明し、双方が納得できる条件を探ることが大切です。

仕事の内容に無理がある

納期が短い・作業内容が多すぎる等、仕事の内容に無理があると感じた場合は、クライアントに契約条件の変更を提案しましょう。

契約条件が厳しい仕事をそのまま引き受けてしまうと、品質の低下や、必要事項の確認漏れといったトラブルの原因になる可能性があります。

状況に応じてクライアントに契約条件の変更を提案することは、品質の向上やプロジェクトの成功に繋がります。

仕事内容に無理があると感じた理由や、どのように変更すれば引き受けられるかをクライアントに丁寧に説明し、解決策を模索しましょう。

同じクライアントからの仕事を長く続けている

同じクライアントからの仕事を長く続けていると、作業の内容やプロジェクトの方向性に変化が生じるケースがあります。

例えばプロジェクトの規模が拡大するなどして作業量が増加した場合は、報酬の見直しを提案することを検討してみましょう。

また、フリーランスとして長く活動していると、次第により条件の良い仕事を受注できるようになります。

長く仕事を続けているクライアントの仕事も受注当初は条件が良いと感じていても、時間が経つと契約条件を変更したくなるかもしれません。

キャリアアップや報酬アップを目指す場合は、状況の変化を考慮しながら契約条件の変更を提案してみてください。

フリーランスが契約条件の変更を提案するときに使える例文

フリーランスが契約条件の変更を提案するときは、メール・チャット・クラウドソーシングサイトのメッセージ画面のいずれかを使うのが一般的です。

メールの場合はビジネスメールの定型文をベースに、しっかりとした文面を心掛けた方が良いでしょう。

チャットやクラウドソーシングサイトのメッセージ画面の場合は、メールほどかしこまる必要はありませんが、ある程度丁寧な言い回しを用いるのがおすすめです。

ここではフリーランスがクライアントに契約条件の変更を提案するときの、文章の例を紹介します。

メールの場合

件名:○○の納期に関するご相談

本文:
○○株式会社
○○課○○様

お世話になっております。
イラストレーターの○○でございます。
ご依頼いただいた○○の納期についてご相談したいことがあり、ご連絡しました。

○月○日(曜日)に設定されておりました○○に関して、
すべての作業を完了させるまでに○日間ほどの時間を要することが見込まれます。

大変恐れ入りますが、納期を以下の日程に変更していただくことは可能でしょうか。

○月△日(曜日)

もし上記の日程が難しいようでしたら、可能な限り対応いたしますので、
ご遠慮なくお申し付けくださいませ。

誠に恐れ入りますが、ご検討の程何卒よろしくお願い申し上げます。

[署名]

件名:○○の使用ツールに関するご相談

本文:
○○株式会社
○○課○○様

日頃よりお世話になっております。
フリーランスエンジニアの○○でございます。

お仕事のご依頼、誠にありがとうございます。
本日は使用ツールに関してご相談したいことがあり、ご連絡しました。

依頼書には○○というツールを使用するよう記載されておりましたが、△△も併用させていただくことは可能でしょうか。

△△は私が普段から使用しており、操作にも慣れているため、より円滑に作業を進めることが可能でございます。
性能は○○とほとんど変わらないため、成果物にも影響はないと思われます。

他にも何か良い方法などございましたら、ぜひご教示ください。
お手数をおかけしますが、ご検討いただけますと幸いです。

[署名]

チャット・クラウドソーシングサイトの場合

○○様、はじめまして。
お仕事のご依頼ありがとうございます。

契約条件やお仕事の詳細をすべて拝見いたしました。
ご契約の前に、1点ご相談したいことがございます。

お仕事の報酬を、○○円にしていただくことは可能でしょうか。
昨今の物価上昇の影響を鑑みて、受注するお仕事の報酬は○○円以上のものとする方針を取っております。

こちらの都合ばかりで大変恐縮ではございますが、ご検討いただけますと幸いです。

いつもお世話になっております。
お仕事のご依頼ありがとうございます。

ご依頼いただいた○○の作業内容につきまして、ご相談したいことがございます。

依頼内容の詳細にある△△という工程ですが、他の方に担当していただくことは可能でしょうか。
ご提示いただいたツールを使用した経験がないため、△△の作業はいたしかねます。

ご迷惑をおかけしますが、ご検討のほどよろしくお願いします。

フリーランスが契約条件の変更を提案するときに気を付けるポイント

契約条件の変更を上手に提案することは、フリーランスにとって重要なスキルのひとつです。

自分とクライアントの双方が納得したうえで契約条件を変更するには、丁寧かつ慎重なアプローチは欠かせません。

ここでは、フリーランスが契約条件の変更を提案するときに気を付けるポイントを紹介します。

できるだけ早く交渉に取り掛かる

「契約条件を変更したい」「契約条件を変更した方がより良い仕事ができる」と感じたら、できるだけ早くクライアントとの交渉に取り掛かりましょう

自分が考えていることを早めに連絡することで、クライアントは交渉された内容の検討をじっくりと行うことができます。

また、「スケジュールに余裕がなく検討する時間がないため、今回の相談には応じられません」といった返答を防ぐことにも繋がります。

契約条件を変更しようと思ったら、その日の内夜遅い場合は翌日の午前中までにクライアントへ声をかけることをおすすめします。

無理難題を提案しない

「納期を1カ月以上延ばしてほしい」「報酬を3倍にしてほしい」のような、無理難題を提案しないことも大切です。

現実的ではない変更を提案すると、クライアントも「さすがにこれは・・・」と思い、信頼関係が損なわれる可能性があります。

時には提案に応じられないことを理由に、仕事の依頼そのものを撤回されることも。

契約条件の変更を提案する際は、実現可能な範囲で、理にかなっているかを検討し、クライアントからの合意を得られるラインを見極めるようにしましょう。

丁寧な文面を心掛ける

契約内容の変更を提案するメールやメッセージは、丁寧な文面を心掛けることが大切です。

感情的な表現や友達感覚のフランクな言い回しは避け、クッション言葉を用いたりクライアントを気遣う文章を添えたりして、相談を前向きに進められるようにしましょう。

丁寧な文面はクライアントとの信頼関係を保ちつつ、スムーズに交渉を進めるのにも効果的ですよ。

自分が希望する変更の内容をハッキリと伝える

契約内容の変更を提案するメールやメッセージを作成するときは、自分が希望する変更の内容をハッキリ伝える必要があります。

曖昧な表現や不確かな要望だと、クライアントが内容を理解しきれなくて交渉がなかなか進まないことや、クライアントの都合の良いように解釈されて思ったような結果を得られないことがあるためです。

具体的には、次のような表現を心掛けてみましょう。

交渉の内容避けた方が良い表現交渉時におすすめの表現
納期1週間ほど延ばして・・・○月○日まで延ばして・・・
報酬もう少し高く・・・報酬を○○円に上げて・・・
仕事内容仕事内容が多いので減らしてほしい
仕事内容を変えてほしい
仕事内容が多く○○を引き受けるのは難しい
仕事内容を○○から△△に変えてほしい
使用ツール別のツールを使いたい○○というツールを使いたい

希望する変更の内容や理由を明確に伝え、クライアントとの認識のズレをなるべく発生させないことが、交渉を成功させるために重要です。

フリーランスが契約条件の変更を提案するメリット

慣れないうちは遠慮してしまいますが、契約条件の変更を提案すると次のようなメリットがあります。

  • 仕事の品質を向上させられる
  • ワークライフバランスを取りやすくなる
  • 効率的な働き方ができる
  • 仕事に対するモチベーションの向上
  • 市場価値の向上
  • リスク回避

契約条件が良くなることで、仕事の品質や仕事に対するモチベーションを向上させやすくなります。

加えて作業時間に余裕ができたり、同じ作業時間でもより多くの金額を稼げたりもしますから、ワークライフバランスを意識しながら効率的な働き方を実現することも可能です。

クライアントには「状況に応じて柔軟な対応・提案ができる」と評価され、フリーランスとしての市場価値も向上するでしょう。

また作業時間や仕事内容に余裕ができることで、納期遅れ・クオリティ低下・クライアントからの信頼の喪失といったリスクも回避できます。

お互いが気持ちよく、より良い仕事をするためにも、必要に応じて契約条件の変更を提案することをおすすめします

フリーランスが契約条件の変更を提案するデメリット

契約条件の変更を提案するとさまざまな恩恵を受けられますが、交渉の仕方を誤ると以下のようなデメリットが発生する可能性があります。

  • クライアントからの信頼度の低下
  • プロジェクト全体の進捗状況の遅れが発生する
  • 他のフリーランスとの競争力の低下
  • 将来のキャリア形成への影響
  • クライアントとの関係悪化

何度も契約条件の変更を繰り返していると、クライアントからの信頼度低下や、他のフリーランスとの競争力の低下につながるかもしれません。

なぜなら納期の延長はプロジェクト全体の進捗を後ろ倒しにすることになりますし、報酬の増額はプロジェクト全体の予算を圧迫する場合があるためです。

クライアントから「この人とは一緒に仕事しにくいな」と思われると他のフリーランスと契約を結ばれたり、この先の仕事を依頼してくれなくなったりする可能性があります。

また、「さすがに条件変更の希望が多すぎませんか」「これ以上は一緒に仕事するのは難しいです」と、クライアントとの関係悪化につながることも。

フリーランスとして活動を続けるには契約条件の変更はとても大切ですが、必要最小限の回数に抑えることをおすすめします

まとめ

フリーランスとして働いていると、納期に余裕がない・いつも自分が使っているツールを使いたいといった理由で、クライアントに契約条件の変更を提案することはよくあります。

クライアントに契約条件の変更を提案するときは、次のポイントを意識することが大切です。

  • できるだけ早く交渉に取り掛かる
  • 無理難題を提案しない
  • 丁寧な文面を心掛ける
  • 自分が希望する変更の内容をハッキリと伝える

自分の要望を丁寧かつ明確に伝えることで、クライアントとの認識のズレを防ぎつつ、お互いに気持ちよく交渉を進められるようになります。

本記事が契約条件の変更を提案する際の参考になれば幸いです。

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